夜が深くなってくると、街は正直になるんだろうか。
今の僕はただ静かに受け入れるためにあるのだと最近思う。若さの勢いはもうない。その代わり、感じる距離、言葉の余白に宿る温度を知る。
セラピストという仕事は、不思議なものだ。癒すふりをしながら、実は自分自身も整えられている。誰かのために呼吸を合わせ、心拍を感じ、沈黙を恐れなくなる。
涙は流さなくなったが、失くした涙の分だけ、心の扱い方は丁寧になったと感じる。
強く抱くことより、そっと待つこと。答えを出すより、問いを預かること。30代の頃には気づけなかった感覚が、今は自分の胸に残る。
焦らない、奪わない、約束しすぎない。その代わり、嘘はつかない。
夜の終わり、浴室から上がりシャワーの音を聞きながら思う。
振りまいたのは何だったのか、未熟さだったのか。
それでもいい。大人になるとは、過去を否定せずに撫でてやることだから。
この日記を読んで、もし胸の奥が少しだけ温かくなったなら。
その感覚を覚えていてほしい。
それが、今の僕が差し出せる状況なんだから。
















































































































