匂いって、記憶と結びつきやすい。ある香水をかいだ瞬間に昔の恋人を思い出すとか、誰かの家の独特の匂いが何年経っても鼻の奥に残っているとか。視覚や聴覚の記憶より、匂いの記憶のほうが時間を超えて生々しく残ることが多い気がする。
だから、自分の過ごす場所の匂いを意識することには、けっこう意味があるんじゃないかと思う。朝のコーヒーの香り、部屋に焚いているお香、洗濯したばかりのシーツ。その匂いは、いずれ自分の記憶の中で、この時期の自分を思い出すトリガーになる。
今この季節、僕はひのきの匂いを自分の周りに置いている。何年か経って、ふとどこかでひのきの香りに出会ったとき、この春のことを思い出すんだろうと思う。静かで、だいたい穏やかで、だいたい眠たかったこの日々のことを 🍃













































































































