人前で眠るというのは、けっこうな信頼がいる。無防備になるということだから、安全だと感じていないとできない。
だから、施術中に眠ってしまう人を見ると、少し嬉しい。技術を褒められるより、そっちのほうが手応えがある気がする。
同時に、そのくらい眠りが足りていなかったのだとも思う。家では眠れないけれど、ここでは眠れるという人がときどきいる。家は安心できる場所のはずなのに、やることが多すぎて、気が抜けないのだと思う。
眠りは、意志では作れない。頑張って眠ろうとすると余計に眠れない。条件が整ったときに、勝手に落ちてくるものだ。
だから僕にできるのは、眠らせることじゃなくて、眠ってもいい条件を用意することだけになる。暗さと、温度と、余計なことを聞かない態度。それくらいのものだけれど、案外それで足りることもある。

























































