秋草です!
こんばんわんこそばずるずる(真空ジェシカのラジオより抜粋)
前回の小説読み返したらめちゃ暗かったので、今回は明るい物語を書きます!
「さあ、いまこそ」
私には夢がある。
子供の頃から目指していた漫画家になる夢を、まだ諦めていない。
社会人になり、残業の多い会社を選んでしまい、なかなか描く時間が取れず、それでも転職活動をする心の余裕と気合いが無く、うだうだと毎日を送っていた。
本当にこれでいいのかなあ?
たまにの休みなのに、漫画を描かず、渋谷で友達とランチと映画館。
友達が観たい映画を一緒に観て、こんなの観てる場合じゃないんだよな、と思いつつ、映画を通じて物語の勉強をする気概も無く。
友達は急に連絡が来た彼氏とこのあとデートするとか言い出し、楽しかったのがため息に変わりかけた一人の帰り道、花屋でも行って自分に対する何かを与えるお花でも買おうかなと考える。何かってなんだよって話だけど。
花屋が前に見えた丁度その時、なんと母親が花屋から出てきた。
え?なんで?たまたま?
「ねえ!」
「あ、久しぶりじゃない」
「久しぶりとかじゃないよ、ここで何してんの」
「何って、花を買ってたに決まってるでしょ。ほらこれ、パンジーを買ったの。可愛いでしょ」
「可愛い、けどなんで?急に花を買ったの?」
「私、夢があること思い出して」
「夢?」
「そう。お花を買ってね、一緒に暮らすの」
「え、それが夢?」
「そうよ。夢って大きい物じゃなくてもいいじゃない。
昔から、お花を買いたいなと思ってたけど、なんか生活に終われてたというか、忘れてて。
だから、今日はお花を買ったの。
これで夢が叶うわ」
「・・夢って、そうなんだ・・」
「なに、どうしたの」
「ううん、私、夢について重たく考え過ぎていたのかも」
「はあ」
私はお母さんと一緒に花屋に入って、シクラメンを買った。そして、駅まで一緒に話しながら歩き、違う方向の電車にバイバイした。
電車の中で。
私にも夢がある。
漫画家になる夢。
でも、よく考えたら。
なんで漫画家になりたいのか。
それは、漫画を描いて、みんなに喜んで貰いたいから。
もっと言うと、漫画を描きたいからだ。
私は、成功しないといけない、そういう風に思い込んでた。
でも。
漫画を描くだけで、もう、夢は叶っているのかもしれない。
家に着いて、早速ノートに漫画を描き出した。
昔、アイデアとあらすじだけ書いていたノート。
そこに、私は新たな物語を描き出した。
私だけの物語じゃないかもしれない。
特別に、成功出来る物語じゃないかもしれない。
でも、これは、私がいま描きたい物語。
それだけで。
夢が叶っている。
そう感じられるようになったんだ。
「よし、描くぞ!」
おしまい
出来ました!
読んでくださってありがとうございましたー!!
秋草でした!