雨がやたらと降る夜
朝が来るまでに光る月が
落ちて地面を跳ねる
指先から流れるリズムが
流れる音に寄り添って
深呼吸が
夜を吸い込んでいく
重なって大きくなった影
淡い熱を帯びて揺れる
空間が距離を縮め
硝子の中に宇宙が映る
澄んだ空気に同化するまなざし
航海の中で沈んだ
深く名もない船が
海底から泡の粒を纏って浮上する
暗闇に隠れた輪郭が溶けて
街灯が霧で遠ざかる
迷路で拾ったカード
抱えて足音を鳴らす
人混みの中で渦を巻く風
眠らない街の影
色も持てないほどの暗闇
光を追って視線が絵を描く
流れる音にのって
焦がれるほどの静けさが
刻んだリズムの隙間に
優しく触れて揺れた
時計の針が近づく夜
瞬きの一瞬
孤独を歩いて回る光
人差し指に寄り添って
手の中で薄れていく温度が
エデンの魔法で
指先に灯っていく
























































































































































































































