続きが気になって眠れない、というのは、大人になってからあまりない経験だと思う。だいたいのことは、明日でいいと思える。
だから、物語に夜を持っていかれるのは、ちょっと贅沢なことだ。寝不足にはなるけれど、それと引き換えに、何かに夢中になっている時間をもらっている。
夢中になれるものがあるかどうかで、生活の色はけっこう変わる気がする。仕事と家の往復の中に、早く帰って続きを見たいという理由が一つあるだけで、一日の重さが違う。
最後に何かを夜通し読んだのは、もうだいぶ前だ。
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10/02 10:49 更新
続きが気になって眠れない、というのは、大人になってからあまりない経験だと思う。だいたいのことは、明日でいいと思える。
だから、物語に夜を持っていかれるのは、ちょっと贅沢なことだ。寝不足にはなるけれど、それと引き換えに、何かに夢中になっている時間をもらっている。
夢中になれるものがあるかどうかで、生活の色はけっこう変わる気がする。仕事と家の往復の中に、早く帰って続きを見たいという理由が一つあるだけで、一日の重さが違う。
最後に何かを夜通し読んだのは、もうだいぶ前だ。
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10/01 08:58 更新
季節に合わせて服を変えるのは、いつも少しずれる。早すぎて暑いか、遅すぎて寒いか。ちょうどいい日はほとんどない。
早すぎるほうを選ぶ人は、たぶん寒い思いをしたくない人だ。遅すぎるほうを選ぶ人は、暑い思いをしたくない人だ。どちらを避けたいかで、性格が少し出る気がする。
僕はたいてい遅いほうで、周りがみんな長袖になってから、ようやく衣替えをする。寒いのを我慢しているあいだは、まだ大丈夫だと自分に言い聞かせている。
でも、早く準備してしまう人の気持ちもわかる。朝の冷たい空気を感じた瞬間、季節が変わったと思いたくなる。その気持ちに正直に従っただけだ。
ずれることは失敗ではなくて、季節の変わり目にいるという証拠みたいなものだと思う。
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09/30 09:33 更新
何かをやめると、その分の時間がぽっかり空く。空いた時間は、すぐには埋まらない。
たぶんスマホを見ていた時間の大半は、見たいから見ていたのではなくて、手が空いているのが落ち着かないから見ていたのだと思う。やめて初めて、その落ち着かなさがむき出しになる。
最初の数日がきついのは、そのせいだ。何もしない時間に耐える練習を、大人はあまりしていない。
でも、その落ち着かなさを何日かやり過ごすと、空いた時間が普通になる。空いているのが当たり前になると、そこに眠気とか、考えごととか、別のものが入ってくる。
やめることの効果は、やめたものが減ることより、空いた場所に何が来るかのほうにある気がする。
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09/29 09:13 更新
足りないことより、多すぎることのほうが扱いに困る場面がある。買いすぎた野菜、もらいすぎたお菓子、ありあまった時間。
足りないときは、何をすればいいかがはっきりしている。探すとか、我慢するとか。でも多すぎると、どう処理するかを考えなければいけない。捨てるのはもったいないし、全部抱えるのは無理がある。
結局、人に配ることになる。それが案外いい解決だと思う。多すぎるものは、分けると少しずつ誰かの役に立つ。
これは物だけじゃなくて、時間や気持ちにも言える気がする。一人では持て余すものも、誰かと分ければちょうどよくなる。
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09/28 09:03 更新
大人になると、下手なことを始めにくくなる。仕事ではある程度できることを求められるし、できないところを人に見せる機会も減る。
趣味は、上達しなくてもいい数少ない場所だと思っている。誰に評価されるわけでもないし、締め切りもない。三回目でやっと普通になっても、それで誰も困らない。
僕はこの仕事を始めたころ、下手な時期がつらかった。お金をもらっている以上、下手でいることが許されない気がしていた。
だから今、仕事と関係のないところで下手なことをやっている人の話を聞くと、少しうらやましい。
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09/27 09:44 更新
自分の努力でどうにもならないものが、体には多い。気圧、気温、湿度。どれも本人の心がけとは無関係に影響してくる。
それなのに、体調が悪いと本人の管理不足みたいに扱われる場面がある。あれは、原因が見えないものを誰かのせいにしたい気持ちから来ているのだと思う。
天気のせいにできる、というのは、むしろ健全なことだと思っている。全部を自分の責任にすると、逃げ場がなくなる。
台風が来ているから調子が悪い。それでいい。過ぎれば戻る。
戻るとわかっているものは、そこまで怖くない。怖いのは、いつまで続くかわからないもののほうだ。
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09/25 08:36 更新
しんどい状態が長く続くと、それが標準になる。毎日頭が重いとか、肩が上がらないとか、そういうものを異常だと思わなくなる。
そして、たまに調子がいい日が来ると、逆に違和感を覚えたりする。いつもと違うから、落ち着かない。
これはけっこう厄介で、自分だけでは気づけない。他人に触られるとか、休みが長く取れるとか、外からの何かがないと、基準がずれていることに気づく機会がない。
だから、調子がいいときの自分をちゃんと覚えておくのは意外と大事だと思っている。ここまでは戻れる、という目印になる。
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09/23 08:23 更新
同じものを長く見ていると、判断がつかなくなる。眼鏡でも、服でも、書いた文章でも。最初にいいと思ったはずなのに、途中から何が良かったのかが消えていく。
これはたぶん、見ているうちに基準のほうが動いてしまうからだと思う。比較する対象が増えると、最初の印象が薄まる。
だから僕は、迷ったら一度離れることにしている。店を出て、別のことをして、それでも思い出したら買う。思い出さないものは、たぶん要らない。
とはいえ、その場で決めないと売り切れることもあるので、いつもうまくいくわけではない。逃したものも何度かある。
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09/21 08:47 更新
何かを始めた直後は、やる気が一番高い。だから飛ばす。そして潰れる。この流れは、たぶん誰もが一度は通る。
やる気は資源みたいなもので、最初に大量にあるぶん、使い切ると補充が難しい。しかも、やりすぎて体を痛めると、再開のハードルが物理的に上がってしまう。
だから、始めたばかりのころにあえてペースを落とせる人は、うまく続く。いま出せる力ではなく、三ヶ月後も出せる力に加減している。
僕はこれが下手で、興味を持ったものに一気に時間を使って、飽きるか疲れるかで終わることが多い。植物だけは水やり以外にやることがないので続いている。
やることが少ない趣味を選ぶ、というのも一つの手かもしれない。
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09/20 09:28 更新
問題そのものは片づいているのに、頭の中だけ終わっていない、ということがよくある。謝って、直して、相手も気にしていないのに、自分の中では再生が続く。
たぶん、恥ずかしさのほうが問題より長生きするのだと思う。実務は締め切りがあるから終わるけれど、感情には締め切りがない。
これを忘れる方法は、僕もよく知らない。忘れようとすると、その分だけはっきり思い出す。
ただ、時間が経つと再生の頻度は確実に減っていく。一年前の失敗を毎晩思い出す人はあまりいない。効くのは対策よりも、単に日数な気がする。
だから、思い出してしまう時期はそういう時期だと思って、やり過ごすしかないのかもしれない。眠れているなら、それでだいぶいい。
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